お着物でフルート演奏

 「右前とは、右側のオクミ(衿の部分)を先に身体につける着方のことよ。

それは、私達の多くが右利きなので、右前だと懐の小物を出し入れしやすい

からですよ」。と祖母に教えられたことがある。記憶のインパクトは

むしろ左前の場合。「左利きの人は?」。と、子どもならでは聴いたら、

「着物の左前は、亡くなった人の白装束として使われるんだよ。これは

生前と区別するという慣わしなんだよ」。と生と死の区別に触れた大人な

話として記憶している。

 生前の母が通っていたフルート教室 の先生が、お見えになった。

その先生は、なんとなくその祖母に似ていて昔から大好きだった。

母と先生は友人だったからレッスン以外にもよくケーキを持って遊びに

いらしてくれた。

亡くなっても、変わりなく母の仏壇に手を合わせながらいらしてくれる

ことが嬉しい。私は、祖母と母の思い出を鮮明に思い出す瞬間で、なんだろう

思わず専制に触れたくなるくらい身内のような懐かしさが蘇ってくるのだ。

 母はあちらでフルートを吹いているだろうか?祖母は、あちらで着物の

先生をしているだろうか?誘われたフルート教室へ、私も娘と通ってみよう

かしら?

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